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クリエイティブ思考
著者 エド・キャットムル
ピクサーの共同設立者3人のうちの1人です。あと2人はスティーブ・ジョブズ、ジョン・ラセター。
(ほとんど出てきませんが、もう一人の著者としてジャーナリストのエイミー・ワラスさん。)
この本は、エド・キャットムルさんの自伝に沿って書かれています。ボリュームが凄い。400ページ超えで分厚いです。
環境づくりの大切さ
この著者のエド・キャットムルさんは、チームの環境づくりに力を入れていました。
クリエイター達の力を引き出し、それを阻害している要因を見つけることに、常に注意を払っている方です。
冒頭でそう書いてありクリエイター視点で役に立つことがないのかなぁと思って読み進めると。
映画製作の裏話や、失敗、教訓、クリエイティブな社員が能力を発揮するために大切なことがあり、スラスラ読み進めることができました。
この本をお勧めする人
こんな方に
ピクサーの立ち上げの歴史、映画制作秘話など、ピクサー映画ファン、組織のチームリーダー、人事担当者、経営者などが読んでも環境づくりに役立つことがあると思います。
ピクサーは当初、ハードウェアを売っていたことを知りませんでした。
ピクサー・イメージ・コンピュータでコンピュータを売っていましたが、結局300台しか売れなくハードウェアを諦めました。
そして自分たちが最初からやりたくて仕方がなかったことを、とことん追求する決意をしました。それがコンピュータ・アニメーションだった。
斬新なアイディアを擁護する!
SIGGRAPH(シーグラフ)というコンピュータの展覧会の審査員を彼が担当しているときの話。
審査員たちの中で、二者のグループが出来ていることに気づいたという。
斬新なアイディアに対して、欠点を探して文句をいう人々と、良い点を評価し、そのアイディアを伸ばすアドバイスをする人々。
ピクサーだけでなく、「斬新なアイディアは守られなければならない。」と著者は強く訴えていました。
私も仲間とアイディア出しのときに、実現可能性とか面白いかどうかを、その場ですぐ出して、アイディアを評価していたことを反省しました。
新しいアイディアが出たら、とにかく潰さず、良いところを見つけて活かそうとする!
実際に、これを実践してみました。大した違いはないと思っていたけれど、とりあえずやってみよう!で作品づくりが凄くスムーズに行きました。
意識するとしないとでは、全然違います。あと最近思ったのが、良い本を読んだり、良い情報を手に入れても、自分の生活に取り込んで試さないと、使える形で残りません。
知っただけで、できる気になる。これに気づけただけでも、少し成長できた感じがしました。
現地調査の重要性
新しい映画を作る会議で、イメージを沢山描いて話し合うそうですが、どこかで見た映画の手法をマネたものが出てきてしまうそうです。
ピクサーの会議では、暗黙の了解で、スターウォーズの話は一回までになっているそうです。あまりに具体例として出てくるからでしょう。
作品作りで、有名作品をマネたり、影響を受けてしまい、オリジナル性、世界観が出ないとき、現地調査をさせることが大切だと力説しています。
現場に出向いて情報収集
実際レミーのおいしいレストランの場合、スタッフにミシュランの星を獲得したレストランに出向き、シェフの包丁の動き、厨房、ネズミが通る配管を調べさせたりしたそうです。
そういうことで、世界観が出てきてオリジナルになる。神は細部に宿るとは言いますが、まさにそのことだと思いました。
細かいところを作りこむのは、世界観を保つために大切なんだとよくわかりました。
その他にも沢山、映画づくりでの楽しい話がありますので、良かったら読んでみてください。