くぎになったソロモン 変身する絵本
釘になる能力を手に入れたウサギの「ソロモン」はある日、猫に襲われそうになって隠れようとするが釘に変身したことがばれてしまい、猫に捕まってしまう。
「ソロモン」はウサギに戻ったら、猫に食べられてしまうのでどうにかこの場所をきりぬけようと、奮闘するお話です。
ソロモンの表情が味わいぶかい
釘になったり元に戻ったりする時、初めて釘になる時のキョトンとした顔の表情や家族にそのことを言うかどうかの気持ちなどの、顔の表情がとても味わいぶかいです。
いろんな表情が見られるので、とてもおもしろいです!
釘に変身できる能力
釘になる時の、使い方がとてもおもしろい。釘になって隠れることができる能力、(クギクギの実?)を食べたのか分かりませんが、変身できる能力をフル活用しています。
「釘に変身できたらどうする?」と妄想すると面白いかもしれません。(私的に移動する時などに便利な能力だと思いました。だけど、もう一人いないと移動できないので、信頼できる人が必要かも。)
「ソロモン」はこんな感じの釘に、変身したのでしょうか?
猫とウサギの不思議な関係性
この物語に登場するキャラクターの関係性が、とてもユニークです!!普通は弱肉強食の世界観だと、オオカミ・ライオンなど強そうな生き物と。
ねずみ・とりなどの弱そうな生き物を想像しがちですが。強い生き物>弱い生き物という関係
この物語では猫がウサギを襲うという、あまり想像したことのない組み合わせになっています。日本の絵本では、見ない組み合わせです。
(国の文化や昔の話でそういう関係性があったのかもしれません)
猫夫婦のやりとり
(奥さんに信用されていない旦那さんの立場が特に面白いです。)猫の旦那さんが釘を持ち帰り、ウサギを捕まえたと言い張り。
猫の奥さんがいくら待っても釘がウサギにならないので、旦那さんの頭がおかしくなったのではないのかと心配されるシーンがとても笑えます!
壁に打ち込まれるソロモンの行方
そして、ウサギが現れないことでとうとう嫌気がさした旦那さん猫は、怒りで家の外の壁にソロモン釘を打ち込みます。
この後、ソロモンはどうなるのでしょうか?ここが一番の見どころです。
著者紹介 アメリカ人作家
著 ウィリアム・スタイグ
アメリカの漫画家、イラストレーター、彫刻家、児童文学作家。アニメーション映画『シュレック』の原作となった『みにくいシュレック』などの作品を描いた原作者です。