熊本市役所が、地震後トラウマで家に帰れない子どもたちのために、絵本「やっぱりおうちがいいな」を紹介していました。
今回、いろんな地域などで被災された方々に、少しでも役立つ情報を提供できれば良いかなぁと思い。シェアさせていただきたいと思います。
このような形で、被災者支援につながれば幸いです。被災された方で、気持ちが落ち込んでしまっている方など、ぜひ読ましてあげてください。
絵本「やっぱりおうちがいいな」
熊本地震の後に、建物の揺れや物が落ちてきたことによるトラウマで家が怖くて帰れなくなった子どもたちがいます。そのような子どもたちのためにこの絵本を作りました。おうちの方の参考になれば幸いです。
ちきゅうさんが、かぜをひいたよ。「ハックシュン!!」
「わぁ~!じしんだー!」あきらくんは、おねえちゃんのくみちゃん、おとうさん、おかあさんといっしょに、そとににげました。
みんなで、ひなんじょにいきました。おおくのひとが、がっこうのたいいくかんにいました。
あきらくんは、いつものようすとちがうたいいくかんには、はいれませんでした。おかあさんが、むりにいれようとすると、おおなきを してしまいました。
しかたなく、おうちのくるまのなかで ねることになりました。
ひなんじょで ごはんをもらい、くるまのなかですごすせいかつが 2しゅうかん つづきました。じしんも おちついてきたので いえにかえることに なりました。いえのげんかんまで いくと、あきらくんは、じしんのことを おもいだして、なかに はいることができません。「おうちは こわいよー。」とおかあさんにしがみついて、なくばかりです。
おねえちゃんのくみちゃんは、ゆうきをふりしぼって、いえのなかにはいっていきました。いつもより、ちらかっていますが おとうさんがまえもって かたづけてくれていたので、ほとんど もとどおりでした。
くみちゃんは、くまモンのぬいぐるみをもってきて、「ほら、くまモンも いえでまってるよ。」と あきらくんにみせてくれました。
あきらくんも ゆうきをだして、いっぽ、いっぽ、いえのなかに はいっていきました。
すると、くまモン、でんしゃ、ミニカーなどのおもちゃがいっせいに はくしゅで むかえてくれました。
あきらくんは、すぐにそのおもちゃで、あそびだしました。「おうちは、やっぱりたのしいな。」
そのひのよるになりました。あきらくんは、よるになると、じしんをおもいだしてしんぱいになり、やっぱり ないてしまいます。おとうさんは、おちてきそうなものを かたづけて あんしんできるスペースをつくってくれました。
おかあさんは、「また じしんがおきたら、ここにかくれてね。みんなでにげるから だいじょうぶだよ。」とぎゅっと だきしめてくれました。
そのひは、おとうさん、おかあさん、くみちゃん、あきらくん、みんなでまくらをならべて、いっしょにねむりました。
つぎのひ、「やっぱり、おうちがいいな。」と あきらくんはつぶやきました。
ときどき、ちきゅうさんはくしゃみをしています。あきらくんはいいました。「ちきゅうさん、はやく よくなってね。」
ご家族へ
子どもたちは、また家で地震が起きるのではないかと心配して、家に戻れない場合があります。以下のことを気をつけましょう。
- なるべく、もとの生活リズムに戻してください。慣れているおもちゃなど近くに置いておくとよいかもしれません。
- 子どもが安心できるスペースをつくってください。例えば、物が倒れてきたり、落ちてこないようなスペースをつくってください。
- 再度地震があった場合、どう行動するのかの見通しを伝えることも大切です。まずここに逃げて、次はどうするのかを知らせた上で、周りの大人がしっかり守ってくれるから大丈夫という安心感を与えてあげてください。
注)家に戻る場合は安全性を確認してから帰るようにしてください。
著者と絵本を作ったキッカケについて
絵本「やっぱりおうちがいいな」を作った著 木村重美さん、作 細郷幸美さん、絵 川嶋久美さんは、熊本地震当時の当センター職員で、熊本地震の体験者でした。
著者の所長(医師)木村重美さん、作 主査(保育士)細郷幸美さん、絵 担当者(保育士)川嶋久美さん、現在も在籍しているのは、保育士の細郷幸美さんです。
熊本地震発生後、一般の方から「子供が家に入るのを怖がる」「夜にパニックになる」などの相談が寄せられたそうです。そして、トラウマで家が怖くて帰れなくなった子どもたちが、支援センターの職員が訪問していた避難所でも、子どもたちに同じような反応が見られたので、何かできないかと思い、保育士の方たちとこの絵本を作ったのがキッカケだそうです。
出来上がった絵本は幼稚園や保育園などに1000部ほど配布されました。
現在、日本語、英語、中国語、フランス語、インドネシア語、ハングル語、ネパール語、ポルトガル語、スペイン語、台湾語、タガログ語が用意されています。
PDFファイルで、絵本を読みたい方・ダウンロードはこちら。
まとめ
東日本大震災などで、横須賀でもスゴク揺れて、怖い体験をしましたが。実際に被災した方々は、もっと揺れが激しくて、物などが落ちていく体験をされています。
なので、子ども達が心に傷をおってしまうのは当然だと思いました。しかも、この絵本のように、実際に家に帰れなくなるような子どもたちがいることに驚きました。
絵本を通して、子どもの心の傷が癒されるような手助けができたらなぁと思います。
東日本、西日本、そして今回の北海道の地域で被災された方々に、心よりお見舞い申し上げます。
熊本市役所
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